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ビルトインガレージ用換気扇の選定!

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ビルトインガレージに入れる換気扇を選定しました。

換気扇は必要か

ビルトインガレージは居室ではありませんから、法律上換気設備の設置は義務ではありません。

シャッターがあるか

まずそもそも、壁が開放されているタイプのガレージであれば自然に空気が入れ替わるので、換気扇は必要ありません。ホテルの車寄せのように、屋根と側方の壁はあるものの、前後の壁が無いタイプであれば、完全に風は筒抜けです。

ビルトインガレージでも入口側が開放されているタイプもあるので、その場合は換気扇不要です。3方が囲まれているので風が抜けるほどではありませんが、わざわざ換気扇を設置したとしても外気の流れの影響の方が大きいので、そこに費用とON/OFFの手間をかける意味が無いでしょうね。

我が家は外部とは完全に遮断されるガレージを望んでいたので、シャッターは絶対条件でした。シャッターを閉じれば外気とは(気密のレベルはさておき)完全に断たれます。窓や換気扇で空気を入れ換えない限り、帰ってきた直後の排気ガスは消えません。(ちなみに取り付けるシャッターは三和シヤッターの「ユーガ」です。)

窓があるか

シャッターを閉じたとしても、ガレージ部分に開閉可能な窓があれば、ある程度は換気することができます。窓換気の注意点は3つあります。

1つ目は、換気量が足りるかということです。窓換気は外気の風力に依存しているので、ほぼ無風の日はほとんど換気できません。帰宅直後に一時的に換気量を増やしたくても、風次第となってしまいます。

2つ目は、開閉の手間です。(一部の電動式を除けば)ガレージに行って窓の開閉をしないといけません。複数窓があれば、一つ一つ手で開閉する必要があります。換気扇であれば、居室からのスイッチ操作にできますし、「人感センサーが反応したら15分運転」や「シャッターが閉まったら5分間強運転」なども可能です。

3つ目は、防犯です。換気量の確保のために大きな窓にすれば、侵入リスクになります。出発時の排気ガスを残さないように窓を開けるとすると、外出中ずっと開けっ放しにするか、ガレージから車を出したら窓を閉めに戻るかのどちらかになってしまいます。開いた窓からガレージ内が覗き見えることもセキュリティリスクになり得ます。

排気ガスの室内流入

我が家はガレージから直接家に入れるようになっています。ビルトインガレージにする場合、雨の日の利便性からそのような作りにすることが多いと思います。

ガレージに換気扇を設置しない場合、室内への排気ガス流入のリスクを考慮する必要があります。我が家の居室の計画換気は、コストメリットから第三種換気(自然給気・機械排気)なので、居室は基本的に負圧(外気よりも気圧が低い)になります。ガレージが外気と同圧であれば、ドアを開けた瞬間にガレージから居室に空気が流れていくことになります。もちろん排気ガスも一緒に。

ガレージ内で作業をするか

ガレージ内で作業をする予定があれば、ガレージ内もある程度快適に過ごせるようにする必要があるでしょう。排気ガスのこともありますので、居室の換気レベル以上の換気量は必要でしょう。メンテナンスもする場合は、オイルの臭いが充満しないように、さらに大きな換気量が必要でしょうね。

私はオイル交換などはやりませんが、エクステリア/インテリアや電気系の作業はする予定です。

必要な換気量

ガレージの大きさ

我が家のガレージは、5.4m×5.4m(ちょいL字形のほぼ正方形)で約18.7帖=約31.0m2(芯々)です。床面には若干の傾斜があるものの、約2.7m。ガレージ空間の体積は約84m3です。

換気時間

どれくらいの時間でガレージ内の空気が入れ替われば良いかを検討します。例えば普通の居室の場合、法律で要求される換気量は0.5回/時。つまり空気が入れ替わるのにかかる時間は120分です。

ガレージが居室と同じ速度では遅すぎますね。ではこんなシナリオを考えてみましょう。

外から帰ってきて、ガレージにバック駐車。駐車したらすぐに電動シャッターを閉めるため、排気ガスがガレージ内に留まったままになる。車から降りて家に入るまでの間に、この排気ガスをある程度排出したい。

これを達成するには、少なくとも5~10分程度でガレージ内の全空気が入れ替わる換気量が必要でしょうね。

車が来たらできるだけ早く換気扇を動作させたいので、換気扇は電動シャッター連動か人感センサーで作動させます。しばらく動作させて、10分後くらいに自動停止するようにしたいですね。

必要風量

約84m3を5~10分で換気するためには、84÷10×60=504、84÷5×60=1,008なので、風量500~1,000 [m3/h]あれば達成できそうです。

居室用の24時間換気で使われる換気扇は、50~100 [m3/h] 程度です。この5~10倍の換気量となると、同系統の換気扇では難しそうです。ちなみにキッチンのレンジフードの強モードが 400 [m3/h]程度です。

別の方向からの風量決定も示しておきましょう。国土交通省による「駐車場の技術的基準(換気基準)に関する検討調査業務 調査報告書」(PDFリンク)によれば、機械換気による駐車場換気での必要換気量として以下の式が提案されています。

[必要換気量 (m3/h)]=[駐車場の床面積 (m2)]×14

我が家であれば、31.0 (m2) × 14 = 434 (m3/h) となります。やはり 500 (m3/h) くらいは必要なんですね。

換気扇の選定

必要風量が分かったことで、候補は絞られました。ガレージの外壁面に取り付けたいので、壁付けの強力な換気扇というと「有圧換気扇」を選ぶことになるようです。

有圧換気扇

有圧換気扇とは、空気抵抗の有無にかかわらず一定の風量を確保するために、空気に圧力をかけて流れを作る換気扇のことです。ザックリ言えば「かなり強力な換気扇」ということです。レストランの厨房や工場に使われるような換気扇ですね。

Panasonicの換気プランのカタログにおいても、インナーガレージ用の換気扇として、800~1,200 [m3/h]の有圧換気扇「FY-25LSG」や、1,400~1,800 [m3/h]の有圧換気扇「FY-30LSG」が提案されています。

設置位置

車からの排気ガスは車体下部の排気管(マフラー後部)から排出されます。人間の鼻は排気管よりも上にありますし、ドアから居室への侵入を防ぐためには排気ガスが低い位置にあるうちに取り除きたいですね。なので排気用換気扇は低い位置に設置すべきでしょう。

ちなみに排気ガスは熱を持っているので空気よりも軽く一旦は上昇しますが、排気ガス成分のCO2やNOxは空気よりも重いので、冷えると下部に滞留します。

低い位置に設置するとなると、前掲の換気扇ではファンのガードが粗すぎて危険です。もっと目の細かいものだと、メッシュタイプや格子タイプがあります。

インテリアメッシュタイプ
インテリア格子タイプ

25cm同士で比較すると、

  消費電力 (W) 風量 (m3/h) 騒音 (dB)
メッシュタイプ
FY-25LSM
42.5 1130 42
35 900 37
格子タイプ
FY-25LSE-W
31.5 960 39
26.0 690 32.5

※ 風量・騒音は60Hzの値。

メッシュタイプの方がやや風量が大きいものの、どちらも要求を満たしています。どちらも低騒音形で、電気式シャッター付き、価格も同一なので、どちらを選んでも問題無さそうです。子供が指を入れるリスクを考えると、メッシュタイプのFY-25LSMが最適でしょう。

まとめ

ガレージの換気扇の候補は、有圧換気扇「FY-25LSM」となりました。

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